虹色NOTEBOOK

日々の出来事 想いのままに……

お礼のお気持ち

(復刻改訂記事)


子供の頃、稼業の影響でしょうか。
家には、しょっちゅう来客がありました。

手ぶらってないんですよね。
ご挨拶だの、お礼だの……
手土産、差し入れ……

お中元、お歳暮のシーズンには、
壁一面積み上がっていた

当たり前の光景だった。

特においしいとか、
ありがたいなどとは思っていなかったな……

ただ頂いているだけでなく
父は、それ相応に贈り物をたくさんしていました。
子供心に、大盤振る舞い?!に見えた。
もらうばかりでは、なかったんですね。

太っ腹で豪快な父は、付き合いで、
某大手インスタントラーメン社の商品を
買っていました。

その結果、家にはラーメン部屋がありました。
一部屋、インスタントラーメンの箱でぎっしり。
倉庫になっていました。

そして父は、人にポンポンポンポンあげる人。
気前がいい。
を見て学んだようで……
私も友達が家に遊びに来る度、
お土産としてポンポンどかっとあげていました。
何と気軽に。

私には普通だったけど、
めっちゃ恐縮されて、感謝された。

早速お母さんからお礼の電話がかかって来たり、翌日には「お母さんにしっかりめっちゃお礼を言うように!!と言われた」と言う子や……

私はラーメンも、インスタントラーメンも好きじゃなかった。
なぜそんなに??と、わからなかった。


親に与えられた光景。
大人になって、
いえ、つい最近
やっとわかった気がします。


初めて私自身が ‘お礼’ を頂いたのは、
2010年だったかな……
以前いた教室で、付添いをしたときでした。

付添いとは、
個人レッスン受講の生徒さんの
舞台出演(ソロの舞台やコンクール等)の際に、諸々のお世話をする事。

お世話する内容範囲は教室の意向や担当者個人により違いが出ます。
因みに、私のいた教室は、伝統があるので昔風にビックリな高額でした。ウチの教室の生徒さんが聞いたら、もうそれだけでバレエ辞めちゃうんじゃないかしらね……

 

話戻って、
その日は2人で5名を担当していました。

そういった出演の際には、生徒さんは、
付添い担当者には、お礼を持って行くのが慣例なんですよね。

ある生徒さんは、
私が席を外している間に
もう一方の担当者に渡していて、
その人が持って帰ったようです。

その子の事は、実際には、
私がメイクから、レッスンから、
場当たり(舞台練習)、アドバイス……至れり尽くせり、
ほとんどをみていました。

そしたら、次のレッスン日の時に、
私に。と改めてご挨拶に持って来て下さったんです。

感動と感激でした!!

恥ずかしいような……

青天の霹靂!

想像していない事が突然に起こり、びっくりしました。

居心地が悪いほど戸惑いました。

が、でも、とても嬉しかった!

天国な感じ!

 

生まれて初めて、本当のお礼を頂いた!

忘れられません。

もったいなくって、しばらく飾っておきました。
そして感動のお味でした。
そのお菓子の缶は、
今もティアラケースとして使用しています。
思い出の宝物です。


この教室をやるようになって、
時々頂戴する
お気持ち。
いつも感動です。

感動表現が足りないかも知れませんが、
本当にめちゃくちゃ嬉しいです。

そして、そのお気持ちのお味。
染み渡るおいしさです。